日常を語ったり、読んだ書物を語ったり、ぼちぼち文を書いたりして遊ぶ現実逃避ブログ。頭は中学二年生で止まってます。
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不死鳥一羽。
2009-06-09 Tue 22:43
ふしちょう第一話。リーラさん最強列伝。滅茶苦茶エグイ。つくづくエグイ話多いな。
 見る勇気と度胸を持ってる人たちだけどうぞ。










《幕引き》

 王都に近い鬱蒼たる森の一角。相対する若い男女二人と賊とおぼしき男共。
「お嬢ちゃんお坊ちゃん。目ぼしいものを持ってるなら俺達に渡してくれないかい?」
 下卑た笑いで鞘から抜いた刃をちらつかせる賊の男。
「その台詞そのまま返してやる。むしろ貴様らが寄越せ」
 腰のベルトに鞘に収まった二対の短剣をさげる、年若い女が不敵に宣う。その眼差しはあくまで相手を卑下していた。
「嗚呼、挑発してはいけませんってば。彼らはナイフをスプーンと見間違うぐらい愚かなのですよ、きっと」
 傍らの、女とは年が近そうだが大人には見えない少年が言った。腰には銃のホルダーとナイフの鞘。
 脅しにかかった男の眼がつり上がる。
「おい。つべこべ言わねぇでその腰に吊り下げてるものと金を寄越しやがれ!俺の後ろに居る奴らが見えねーのか?お前らは圧倒的に不利なんだよ!」
「愚図の申し分だな、そんなの」
 女は男の言葉を嘲笑う。言葉通りに腰に下がる鞘を外すでなく、鞘から刃を抜いた。二つの銀光が煌めく。
「私はお前らごときに倒される者ではない」
 双方の剣をだらりと下ろしたままのたまう女。余裕綽々に、構えもしない。
「…さがったほうがいいのでしょうね」
 女の様子を見て少年がぼそりと呟くと、後方の木立まで退いた。
「なんだと…!」
「この程度の挑発にも乗るか?そうか。頭の方も脆弱か」
 くつくつ笑って女は茶化す。
「生意気なくそアマァ!!やっちまえ!!」
 賊が雪崩れ押し寄せる。女は依然立ち尽くしたまま、心底つまらない目付きでぼそりと呟いた。
「白々しい。使いふるされた展開或いは台詞。…退屈だな」
 賊の先頭を走る男の刃と、女の肉身との距離。カウントダウン。10 9 8 7 6 5、4、3 、2 、1、

   嘲笑。

「愚かな」

                    0


刹那的に何かが起こり、終わる。

 賊の刃の渦中に揉まれたはずの女は、瞬きの間にその外に佇む少年の傍らに立っていた。
 狐に化かされたような顔をする賊の男達。
「なにがあった…」
 数秒前に立っていた場所から消え、少しばかり距離のある間際に立った女。それは移動過程の無い移動。テレポーティション或いは瞬間移動。
 そして…


「お前はとうに死んでいる」
 にやけて賊を指差しながら、女は嘯いた。
「は、何を言、」
 ぷしゅっ、という音。男の背から血煙が吹き出す。
「ひぎぃゃぁぁぁ!!!」
「けたたましい」
 女が悲鳴をあげた男に石を投げた。ずる、と胴体から両腕が落ちる。
「んなっ!?…いてぇぇ!!!」
 全員の体の各所がもげ、血を噴き出した。
 阿鼻叫喚。みるみる森の一角が血に染まる。凄惨な地獄絵図となった。
「ひいいぃいい」
 否、全員ではない。無傷の者がたった一人。女がそちらを見やる。
「貴様がこの賊の長だろう?」
 男はびくりと身を震わせた後、脂汗を浮かべながら必死に口を動かす。
「わ、悪かった!なにもしねぇ!持ってるもの全部やるから見逃してくれ!」
 女は座り込んだまま後ずさる男に歩み寄り、追いつき、その細腕で男の太い喉を掴み吊し上げた。
 口の端を歪めながら女は問う。
「持ってるもの、とは何だ?」
 誰から見ても、女はサディスト。そして絶対的な強者。男は震えた声で言う。
「た、旅人たちから奪ってってた、黄金や宝…!」
「それはどのくらい?」
「い、一生は、遊んで暮らせる…!」
「この国内では八十年間は遊べる、ということか。それは良い。場所は?」
「や、山の上の小屋の軒下!」
 チラリと男の指す方角を見やる。それは女と少年が向かおうとしていた方向だった。
「なるほど。だから私たちを襲ったのか。小屋に近づかぬように。そして何か奪ってやろうと」
 口を歪めて女は賊の長を掴んでいた手を放して捨てる。
 腰が抜けた男をそのままにしておくのかと思えば…回し蹴りで男の頭を強打する。かなり強烈な蹴りだったらしい。男は吹っ飛び、木に激突して昏倒した。
「相変わらず怖いですねえ」
 少年が苦笑しながら言う。
「構わないだろう?けしかけたあちらが悪い」
 いけしゃあしゃあと言ってのけて、女はぱんぱんと手を払う仕草をする。
「このまま進んだ山小屋に、宝を隠しているだと。行くぞ」
「はいはい」
 少年は苦笑しながらもその言葉に従った。
「ところでそこの人達は?」
 思い出したように少年が問う。
「さあ。心優しい魔法使いが通りかかれば死なないんじゃないか?魔法の無い世界なら出血多量で即アウトだが…」
 と女が言ったところで人の気配が近づいてくる。女と少年が振りかえった。
 気配の先には五人の旅の集団。魔法使いらしい少女が一人いる。
「おや」
「『主人公』一行の皆さん。先に敵とのバトルを奪って済まなかったな。経験値はまた別のところで上げてくれ。ではではお騒がせ」
 突然女と少年の背から鴉のような漆黒の翼がそそりでる。やけに美しいフォルムの翼。有翼の者、不死の者、不死鳥。彼女らは人間ではないのだ。ばさり、とはためいて身体は浮き上がる。そのまま少しばかり大きな鳥のように空へと飛んでゆき、その場から二人は消えた。

                   *


 山の上の小屋にて。中には女と少年が何かを探していた。
「あ、リーラさん。見つけましたよ」
 少年が女に声を張り上げる。少年が床板を外す。はずした床の下から、なにやら大きな物が出てきた。
「…箱ですね」
 出てきたのは樽ほどの大きさと思われる大きな箱。錠が付いていた。女は素手で錠を捻り壊す。
「どれ、中は…ワォ」
 中には確かに人が一生遊び暮らせそうな分の宝石・金・価値の有りそうな装飾品等で埋まっていた。
「私達もそのうち山賊か海賊でもやろうか。儲かりそうだ」
「遠慮します」
「連れない奴め」
 女は少年を見据えたあと、その箱を持ち上げる。
「“私の部屋”にでも仕舞っておくよ」
 そう言って箱から手を放した。その下には床と、その上に被さる女の影。
 地に箱が触れた。物が床に叩きつけられた騒がしい音は鳴らない。そのまま地面を透過して、消えた。
「さて、一儲けしたからこの世界からも去るか。あまり面白そうなところじゃないからな」
「そうですね。また別のところへ渡ってしまいましょう」
 そう少年が言い終えたのと同時に、地面から炎が上がった。不思議な色合いをしたそれは、二人の体を包み込む。数秒後、二人の姿は消えた。残されたのは、誰も居ない小屋の中に澱む沈黙だけ。

                    *

「盗賊の皆さんには貴女の動き、瞬間移動にしか見えなかったでしょうね」
「実際は凡人には視認不可能な速度で動いて。剣を振るっただけだが」
「あはは。僕にも残像しか見えませんでした。
そういえば『お前はとうに死んでいる』っていう時やけににやけてましたが何が可笑しかったんです?」
「台詞。あれ、とあるアニメィションの決め台詞なんだよ。格闘ものだったな、たしか」
「...もしかして『北〇の拳』ですか?」
「君も知ってたのか!」
「それ、『お前はもう死んでいる』ですよ。『とうに』じゃなくて」
「...........やり直してくる。」
「また暴れるんですか?一人で行ってくださいね」
「お前も付いてこい」
「嫌です」


 第一話、終。

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この記事のコメント
リーラ、さん、、、。
貴女という方は、、、何と言うか、あー、、、
最強ですな。そして懐かしの方。

紀行文は多分もうしばらく書かないな。
書くのは卒業が近くなったときか、
本格的にネタに困ったときか。
興味ないねwwサーセンww
2009-06-13 Sat 14:05 | URL | 笛吹き #QAt7aVcw[ 内容変更]
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